明日のために - 鈴鹿サーキットレーシングコース編 その1
クルマを速く走らせるのが楽しいことは間違いないのですが、速く走らせるためにはやらなければならないことがたくさんあります。また、やってはいけないことがあります。それらを瞬時に判断して操作につなげなければならないという状況が生命感の高揚をもたらします。
なので、サーキットを走る人はある種の興奮状態にあります。いきおい頑張りすぎてしまう場合がありますが、人間が頑張っても速く走れるわけではありません。

スポーツドライビングの基本は、『クルマの性能以上の速さで走れる人はいない』という観点から、『クルマの性能を発揮させるためには何をすべきか』をつきつめていくことにあります。
ですからアンダーステアでコーナーを立ち上がったり、ましてスピンするというような状況は、速く走りたいという当初の目的に逆行するわけで、それを許しているうちは運転が上達することはありません。

鈴鹿サーキットレーシングコースには高速コーナーがいくつもあります。速い速度で走るということは単位時間あたりの移動量が多くなるわけで、ほんのわずかな操作ミスが増幅されてクルマの挙動に表れます。

ですから、鈴鹿サーキットに限らず、クルマを速く走らせる場合にはクルマを安定させることを最優先にしなければなりません。

次のビデオを見て下さい。
高速コーナーでやってはいけないこと

オレンジ色のロードスターに乗るドライバーのちょっとした勘違いが招いた悲惨な結果です。なぜそうなったかはみなさん自身で考えてみて下さい。当日思い当たる原因をお聞きします。

次のビデオを見て下さい。13分近いビデオですが冒頭の30秒だけでかまいません。
鈴鹿サーキットレーシングコース セッション1

12月の寒い日でしかも路面はウエット。路面の摩擦係数が極端に低下していますからSタイヤを履いていても滑ります。もしBMWのドライバーがYRSのオーバルスクールを受けていればスピンすることはなかったかも知れません。彼もふたつの間違いを犯しています。それが何なのか考えてみて下さい。
次のビデオは同じ日の2回目のセッションを最初から最後まで収録したものなので26分余りの長尺です。コースレイアウトを確認するために、あるいはスロットルのオンオフを確認するために役立てて下さい。
鈴鹿サーキットレーシングコース セッション2

クルマの性能を発揮させるためには4本のタイヤのグリップをしっかりと使うことが必要です。クルマには4本しかタイヤがついていませんから、本来、クルマは内包する巨大なエネルギーを4本のタイヤのグリップに分散させてバランスをとっています。
ところが、間違った操作をすると瞬間的に1本のタイヤだけにエネルギーが集中してしまうことがあります。本来4本で受け持つはずのエネルギーを、その時点になって1本で受け持てというのはクルマにとって過酷な状況です。

YRSオーバルスクールで練習したイーブンスロットル。クルマの前後輪のグリップを均等にしようという概念ですが、実際ほとんどの人がコーナリング中にイーブンスロットルになっていません。舵角の走行抵抗に対してスロットルを開けるのが足りないため失速、つまり前のめりの状態でコーナリングすることになります。

ターンインからトレイルブレーキングを使えば前後のグリップバランスが変わってしまう、と言う人がいますがそうではありません。ターンインポイントからブレーキングするのならばいざ知らず、その前からブレーキングしているわけですから、ブレーキング中にしっかりと荷重を前輪にかけておけば、ターンインの前に踏力を減らすだけでクルマはイーブンスロットル=イーブンブレーキングの状態になります。右足をスロットルペダルに戻さなくても、制動力の加減しだいでクルマをフラットにすることはできます。


案内メールに鈴鹿サーキットレーシングコースのレイアウト図を添付しておきます。みなさんの想像以上に高低差のあるコースです。
初めての方も少しずつペースを上げられるように1時間のセッションを2回走ります。ユイレーシングスクールならではの贅沢なスクールです。当日までにイメージを膨らませておいて下さい