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Go − Circuits No.42 (09/04/00)

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★ ★ ★ 一周年記念増刊 第四号 ★ ★ ★

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【No.42の目次】

□ トム ヨシダの丸秘テクニック その2

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さて、いよいよ一周年記念増刊の目玉である丸秘テクニックの公開です。と言
ってもそんな大げさなものではありませんが・・・。


> 初めてのクルマ、初めてのサーキット(道の場合もそうです)を走ることに
なりました。

まず走る場所が確認できる所、サーキットなど恒久的施設では下見をします。
見るべき点と探す目標物は各コーナーの幾何学的頂点(エイペックス)です。
#周回路でない場合は後述。

次に、乗り込む前に可能な限りクルマの情報を集めます。クルマをじっくり見
るのも大切です(カップカーのフロントキャンバーが左右で逆になっているこ
となどはこの時点で発見できます)。量産車の場合は前後に同じサイズのタイ
ヤを履いているか確認するのも必要です(クルマの挙動に関係してきます)。

わからないところは積極的に質問します。一般論としてのクルマの特性、運転
するにあたって注意すべき点、サーキットならそのクルマのラップタイムなど
です。

#余談ですが・・・。
ここで気をつけなければならないのは、「注意して運転するところはあります
か?」という質問が極めて愚問だと言うことです。気をつけて運転するのは当
たり前のことですから、質問された相手は困ってしまいます。ですから自分の
操作の参考になるような点をできるだけ具体的に聞くようにします。

クルマに乗り込む前にテストの段取りを決めます。量産車を一般公道で走らせ
る場合は別ですが、サーキットの場合はテストを制限時間内でできるだけたく
さんのセッションに分けて走らせてもらうように交渉します。もちろん2周で
ピットに入っていてはペースアップも合ったものではないですから、8〜10
周程度を目処とします。

ドライビングポジションです。自分が快適だと思う、あるいはリラックスして
運転できると思うポジションよりシートスライドがある場合は2ノッチ、固定
式のシートなら座布団を背中に入れるとかして同じくらい前に出します。目的
は二つ。ひとつは敢えて操作し難い環境を作り、無意識に操作量を少なくする
こと。もうひとつはフットボードとの距離を短くして、下肢に余裕をもたせ下
半身を安定させるためです。

ポジションが決まったら左右両足のかかとの位置の確認をします。右足のかか
とをどこに置けばスロットルからブレーキへの踏み変えがスムースに行くか?
クラッチペダルをいっぱいに踏んだ状態からゆっくり戻すにはどこにかかとを
置いておけば一番やりやすいか(ストローク中に重くなる場合はこの時点で発
見できます)?

ステアリングホイールも回してみます。と言っても静止状態でステアリングを
切るのは操舵系全てに負担をかけるのでおろかなことです。ステアリングホイ
ールの上で手を滑らせながら実際に切った時の腕の位置、角度を確認します(
ステアリングホイールセンターが必ずしも自分の好みのいちではないので、ス
手アリングワークで注意すべき点を頭に入れます)。

さぁ、エンジンをかける時が来ました。エンジンがかかりました。ここで注意
です。静止状態でエンジンをあおるのは禁物です。エンジンの回転の落ちる速
さなどを知ることは出来ますが、実際には走行状態でなければ情報としての意
味はありません。第一、品がない!

ここで各メーターを読みます。遠くからメーターに視線を動かすと、実際の走
行中の目の動きをシュミレートできます。

クラッチをいっぱいに切り、ギアを1速にシフトします。ブレーキもスロット
ルも踏まずに、左足をゆっくり戻しクラッチのミーとポイントを探ります。ク
ルマが身震いしたら、そこがミートポイントです。左足に覚えこませます。

ここまでで初対面のクルマともある程度お近づきになれます。あとはセオリー
通りスムースに操作することを自分に言い聞かせ、全ての状況が整ったら(ク
ルマのオーナーに軽く手を上げて)クルマを発信させます。

スタートはできるだけエンジンの回転を上げません。スロットルを踏まない状
態でクラッチをレリースし始め、エンジンがストールしそうになるに従いスロ
ットルをゆっくり踏み込んでいきます。

1速で動き出したら、しばらく加速しないで駆動系が機能している時の振動や
エキゾーストノートなどを記憶にとどめます。1速では引っ張らずに2速にア
ップシフト。#よく1速でホイールスピンさせて出て行く人がいますが、愚の
骨頂です。駆動系には負担がかかるし、1速での加速は情報として何の役にも
立ちません。

2速でもスロットルを一定にします。ステアリングを小舵角で左右に振ります
。ステアリングへの入力とクルマの反応の関係が体感できます。3速にアップ
シフト。

ゆっくり加速してある程度の速度に達したら、加速も減速もしないイーブンス
ロットルの状態を作ります。そこからスロットルオフ。エンジンブレーキのだ
けの減速度を確認します。再度加速してイーブンスロットル。今度はクラッチ
を切ってブレーキだけの制動力を確認します。再度加速しイーブンスロットル
。

ステアリングホイールを回さずにステアリングに入力し(表現がむずかしい!
)、手ごたえを確認します。

ここまででひととおりの操作に慣れることができます。プロセスに集中するこ
とで「かなり前から付き合っていたガールフレンドのように対処できる」はず
です。

そろそろ1周目も終わりに差し掛かっています。頭の片隅で各コーナーのエイ
ペックスを確認しながら走ってきました。ペースを上げます。エイペックスの
位置の確認は続けます。

2周目からはラインを意識して走ります。この時の大原則は、「クリッピング
ポイントを必ずエイペックスより後にとること」です。最初のセッションのブ
レーキングポイントは余裕を持ったところに設定し、そのセッション中は変え
ません(ただし徐々に速度の上がるストレートエンドだけは周回を重ねるごと
に調整します)。

加速はクリッピングポイントを過ぎ、ステアリングを戻せる体制になってから
始めます。そして常にスロットルをフロアまで踏み込みます。ですが、まだレ
ッドゾーンまでは引っ張りません。いわゆるショートシフトをするわけです。
1周目に得た感触から、周回毎の回転上限を定めます。ケースバイケースです
が、始めは数百回転ぐらいのステップにするのが普通です。ですから、ラップ
タイムは前の周よりも確実にあるペースで速くなって行きます。

先の見えない公道のコーナーの場合、コーナーに続く直線が確認できるまでは
むやみに加速しません。クリッピングポイントを間違えた場合は、先が見通せ
るようになるまで、インベタで走ります。

最初のセッションの間にやるべきことは、
・エイペックスとクリッピングポイントの位置関係の修正
・ブレーキングポイントと終了時の速度の見直し
・ステアリング、ブレーキ、スロットルへの入力と反応の再確認。

そろそろ自分で決めた周回数が終わります。ピットロードに向かいます。ここ
でも注意。ピットインするのにシフトダウインは必要ありません。ブレーキだ
けで減速し最後にクラッチを切ります。

時間的な余裕があればいったんクルマから降ります。環境を変えるわけです。
深呼吸でもしながら、最初のセッションを振り返ります。ポイントはただひと
つ。スムーズに走れなかったところがなかったかどうかの確認です。なければ
良し、あればその点に留意して次のセッションに向かいます。

次のセッションでは、前回のセッションの最後に回していたところから始めま
す。最初のセッションでは一度もラップタイムが低下していません。こうする
ことでセッションが見かけ上続くことになります。つまり連続して周回してい
たのと同じフィードバックがありながら、なおかつ微妙な点を振り返る余裕が
生まれます。(レーシングカーの場合タイヤ温度の低下に気をつける必用があ
りますが・・・)。

速度が上がるだけで、やることは基本的に最初のセッションと同じです。回転
を上げていくことで変化が生じるのは「ブレーキングポイントだけ」です。多
少変わるかな、というのがブレーキの踏力くらいなもの。これはブレーキング
終了時の速度を少しずつ高め、コーナリングスピードを適正なところに落ち着
かせるためです。

もちろん必用があればクリッピングポイントの位置を変えますが、ポイントを
過ぎてスムースに加速したばあい、アウトいっぱいにきれいな円弧を描いては
らめるのなら修正しません。#それだけ下見、最初のセッションでの確認が重
要です。

セッションが進むほどにペースは上がります。ボクの場合、「一瞬たりともタ
イヤが路面にグリップすることのないミヂェット」を除いて、全てラップタイ
ムは周回を重ねるほど速くなった実績があります。

クルマさんとお付き合いができる自信めいたものが芽生えたら、あるセッショ
ンでレッドゾーンまで引っ張ります。ですが、全開で走ったとしても「変数」
はブレーキングポイントだけです。到達速度が高くなるわけですから、ブレー
キングポイントは手間に取る必用が出てきます。

最初のセッションからパート毎には限界に近づくようにしていますから、コー
ナリングスピード、立ち上がり加速は本来変化しないはずです。つまり直線部
分(にちかいような部分)の通過時間を減らすことのみによってラップタイム
を縮めて生きます。

そして、同じ走り方でラップタイムが伸びなくなったところでテストを終了す
るのがふつうです。それ以上にタイムを縮めるのには「理性ではなく感情でコ
ントロールすることが必要」だと判断した時です。

もちろん、試乗やテストには時間的な制限がつきものです。ここに書いたこと
をきめ細かく全て実行できるとは限りません。が、ここに書いたことはいわゆ
る「ボクのチェックリスト」、あるいは「ワークシート」のようなものです。
時間がなくて多少ハショル必要がある場合、かける時間を少なくするだけで一
つひとつ一つのプロセスは全てこなします。これがボク自身のルールです。

運転に関してもそうですが、個人的にはチェックできなかったからという理由
で不測の事態を招くことは避けるべきだと思うので・・・。

みなさんにとっても、初めてのクルマ、初めての場所で走ることはそれほど珍
しいことではないと思います。クルマで遠出をすれば見知らぬ道ばかりですか
ら。

ボクの場合は上に述べたやり方でたくさんのクルマに試乗し、レースを戦って
きました。アメリカでレースをやっていた時に始めて行ったサーキットでコー
スレコードを出せたのも、理詰めの走りを組み立てたからだと自負しています。
4速全開のコーナーで後ろからプッシングされてスピンした以外、自分からス
ピンしたことがないのも自慢です(ローバヂェットでやっていましたから、破
損は即活動停止を意味していたので、ボクは絶対に張り付かないと確信が持て
る範囲でしか速く走ろうとはしません)。

ここに書いたことがみなさんの役に立つかどうかわかりません。みなさんもそ
れなりのルールに基づいて運転をされていると思うからです。

ですから、みなさんが安全に速く走るための基本を見直すためのきっかけにな
ればと思い、敢えて公表したわけです。もちろん、文にできるほどクルマの運
転は単純ではありません。

また、人それぞれに運転のクセがありますし、同じ「スムースに運転する」と
いう言葉に対して抱くイメージも異なります。ですから、ここに書いていない
「スピンをしない方法」や「限界ブレーキを使う方法」、「最も高いコーナリ
ングスピードを維持する方法」などは、実際にユイレーシングスクールに入校
された時に個々に説明できればいいナ、と思います。


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# いやぁ〜ぁッ、やはり運転は難しいですヨ。どんなクルマでも乗ってしまえ
ばそこそこ走る自信はあるけど、それを文章で伝えるのは至難の技。文章力の
問題もあるんでしょうネ。

# でも、楽しいですヨ。クルマを意のままに走らせることができると。

「モータースポーツをもっと手軽に、もっと楽しく、もっとみんなで」デス。


☆ 走り方に疑問のある方。質問をお待ちしています ☆

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●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかし安

全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと楽しく

もないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クルマさん

との正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●当サイトからの提案です。

<<標語>> 公道では安全運転、サーキットではそれなりに。

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