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Go ★ Circuits No.131 (04/27/02発行)

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【131号の目次】

◎ YRSウェブサイト更新

■ YRS No.2 参加申込み受付中

○ 筑波サーキット公式ドライビングスクール その2

▲ YRS感謝デー、吉田塾参加申込み受付中

□ ユイレーシングスクールの昨日今日 久我昌文

☆ ハウツゥスタート オーバルコースを走る その2

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◎ YRSウェブサイト更新

・歴代ラップタイム更新
ユイレーシングスクールに参加して筑波サーキットコース1Kでラップタイム
を記録した方が延べ1、370名になりました。いつもの通り、データベース
をそのまま表にした「ヒストリー」、複数回参加者のベストタイムを抽出した
「ザ ベスト」、一人ひとりのラップタイムの変遷がひとめでわかる「ソート
バイネーム」、車両の改造度で分けた「ソートバイカー」、全結果を簡単に見
ることのできる「ソートバイタイム」を掲載してあります。

http://www.avoc.com −> Lap Time of Record −>筑波コース1K

・筑波ドライビングワークショップレポート
4月23日に開催されたTDWのレポートを掲載してあります。今回は参加者
の走りを2回ずつ掲載しました。

http://www.avoc.com −> Report −> ワークショップ

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■ YRS No.2 公式通知01

5月11日に開催する筑波エンデューロに参加を予定されている方は5月3日
までにお申込み下さい。3日までに8台以上の申込みがない場合は筑波エンデ
ューロ第2戦を中止する場合があります。

その場合、代替プログラムについては次号のメールマガジンで発表します。

お問い合わせは以下のアドレスにお願いします。
mail@avoc.com

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○ 筑波サーキット公式ドライビングスクール その2

|========= 筑波ドライビングワークアウト ==========
|========== どなたでも参加できます ===========

クルマを速く走らせるのにも安全に走らせるのにも『クルマとは何物』かを知
る必要があります。筑波サーキット公式ドライビングスクール第2弾の筑波ド
ライビングワークアウト(TDO)はビークルダイナミックスを身をもって経
験するプログラムです。スレッシュホールドブレーキングとオーバル走行でク
ルマの操作の基本を集中的に練習します。

サーキットを走るつもりのない方、免許取りたての方、クルマの運転が好きな
方にとっては有効なカリキュラムになっています。ぜひご参加下さい。


・筑波ドライビングワークアウト開催案内
http://www.avoc.com −> SCHOOL −> ワークアウト

・ユイレーシングスクール 2002年スケジュール改訂版:
http://www.avoc.com −> SCHOOL −> スケジュール

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▲ YRS感謝デー、吉田塾参加申込み受付中

5月19日に開催するYRS感謝デーの参加申込みを受付中です。今年はさつ
まいもの苗植えを行います。秋に収穫して『焼き芋』を食べるのが目的です。
バーベキューを食べながらの懇親会もあります。もちろんどなたでも参加でき
ます。ご家族連れで、あるいはお友達と参加して下さい。

・YRS感謝デー開催案内
http://www.avoc.com −> SCHOOL −> その他のイベント

4月の吉田塾は参加申込みがなく中止にしました。毎月2回のペースで開催し
ていますので、クルマの運転に疑問をお持ちの方は参加してみて下さい。ご自
分の走りを撮影したビデオをお持ちになれば○と×の理由を解説します。

・筑波ドライビングワークショップ開催案内
http://www.avoc.com −> SCHOOL −> 吉田塾

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□ ユイレーシングスクールの昨日今日 久我昌文

山梨のミニサーキットで

20世紀も終わりに近づいた年の春、ボクは「クルマの楽しみ推進委員会」と
いうメーリングリストに参加した。名前からしてわかるように、「クルマをも
っと楽しもう」というテーマで集まったコミュニティだった。主催者の中村竜
志氏は、「人とクルマの関わりあい方」について常に問題提起して、「今のク
ルマ社会って、不自由じゃない?一人一人の意識を行動に移して変えていこう
よ」と呼びかけていた。

メーリングリストに参加してから数ヵ月後、中村氏からアメリカで暮らすモー
タージャーナリストのトム・ヨシダなる人物が新たに参加すると紹介があった。
たしかその名前は何度かクルマ雑誌で目にしたことがあった。インターネット
はたしかに人と人の「距離」をないに等しいものにする。日本の片田舎に居な
がら、海の向こうのプロのジャーナリストと「会話」するなどということが現
実に起こるのだった。

実際、そのトム・ヨシダ氏は「ホンモノ」で、ボクが思っていたよりも、もっ
と日本やアメリカのモータースポーツに深く関わっている人だった。トム氏の
展開する豊富なレース経験や知識、日本ではほとんど紹介されたことのないア
メリカのモータースポーツの話題は、すぐにメーリングリストのメンバーを魅
了していった。

そして、その年の夏。走行会で知り合った友人からメールで、「山梨のミニサ
ーキットに行ってみないか」、と誘いを受けた。このコースは、クルマ雑誌で
よく紹介されていていたが、未だ走ったことのないサーキットだったので、す
ぐにOKの返事を出した。このことを「クルマの楽しみ...」で話すと、何
とアメリカ在住のトム氏がスケジュールを合わせて山梨までやってくる、とい
うではないか。しかも、コースを走るわけではなく「キミたちが走っているの
を見たいから」という理由だった。そう言えば、トム氏の経歴の中にジムラッ
セルレーシングスクールのインストラクターを務めていたとあった。

レーシングスクールがどういうものか知らなかったが、きっと速く走るための
コツを教えてくれるのだ、と思った。誘ってくれた友人にこのことを話すと、
学生時代にダート走行をやっていた彼は喜んだ。
中村氏もこのことを歓迎してくれ、「オフミーティングをしませんか?」とメ
ーリングリストで呼びかけてくれた。「山梨のミニサーキットに集合っ!」。
コンピュータネットワーク上での会話だけのつきあいは、一気に現実の出逢い
へと進化して行った。

あっ、という間に夏は過ぎ、初秋の山梨。朝早い時間からボクらは山間のミニ
サーキットへと集まった。アップダウンに富んだそのコースは、幅も狭く、峠
道そのものといった印象だった。山の朝のひんやりとした空気を吸いながら、
ボクらは挨拶を交わした。トム氏とはもちろん、中村氏とも初めて顔を会わせ
たのだった。

ボクらの中で、コースを走るクルマは5台だった。FRターボ車、4WDター
ボ、FFライトウェイトスポーツ、AT車と車種もバラバラだった。走行時間
は1つのセションが30分、セション毎にチケットを買って走った。

トム氏はボクらが走るのをコース脇から見ていてくれる、という。「何周か走
ったらピットに入ってきて」と言われた。自分が走っているのを見てもらって
、その都度アドバイスを受ける、とういうのは初めてのことだった。最初に、
「テーマを持って走ったほうがいいよ」と言われても、「そんなの速く走るこ
とに決まっているじゃん」と思った。ホントにバカである。でも、アドバイス
してくれるトム氏はそんなことはもちろん言わず、笑顔を絶やさず、易しく丁
寧に教えてくれた。他のメンバーに対しても同様だった。

その当時のボクは「ブレーキはコーナーに入るギリギリまでガマンするもの」
と思っていた。今でもユイレーシングスクールの教科書に書かれている勘違い
の例は、そのままボクの走り方に当てはまった。ガソリンをいくら使っても、
頭を使わなければ速く走れない。

結局、30分の走行セションを2回行って走行を終えた。「クルマさんともっと
なかよしになったほうがいいよ」。トム氏の言っていることは一見簡単なよう
でいて、実践するのはとても難しかった。メーリングリストで繰り返し言われ
ていたこの言葉の中に、たくさんのメッセージが込められていたことに、よう
やく気がついた。

中村氏はメーリングリストメンバーのオフミーティングというレポートで、ア
ドバイスを受けたボクらの姿を、すぐさまWebサイトにアップしてくれた。
ご丁寧に最終コーナーの動画つきである。走りはじめてすぐの映像だろう、下
りストレートからのターンインで外側のフロントタイヤにだけ負担がかかって
いるのが写っていた。「自分は未だクルマの性能を出し切っていない」「どう
すればもっとクルマとなかよしになれるのだろう」「何とかもう一度アドバイ
スを受けられないだろうか」という思いは、日に日に大きくなるのだった。

山梨での走行会から2ヶ月ほど後、ボクは一通のダイレクトメールを受け取っ
た。そこには、ユイレーシングスクールの日本で最初のドライビングワークシ
ョップが、桶川スポーツランドで開催されることが記されていた。チーフイン
ストラクターにはトム・ヨシダの名前が記されていた。わざわざ山梨までトム
氏が来たのも、日本でレーシングスクール開校の可能性を探しに来ていたのだ
った。開催場所は違ったが、それでもこのメールはボクにとって待ち望んでい
たものだった。師走の平日が開催日だったが、すぐさま受講を申し込んだ。

そして、12月の寒い朝。眠い目を擦りながら桶川のコースに辿り着くと、山
梨で出会った優しい笑顔が、集まったもっと多くの生徒たちに向けられていた。
「クルマをもっと楽しもうよ」。この日、ネット上でのバーチャルなスクール
は現実の、等身大のスクールに生まれ変わった。


※ 久我昌文はユイレーシングスクールのスタッフです。

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☆ ハウツゥスタート オーバルコースを走る その2

オーバルを速く走るために必要なことは『クルマに溜めたエネルギーを減らさ
ずにコーナーを抜ける』ことです。ロードコースでも速く走るためにはコーナ
ーの通過速度が大切な要素になりますが、求められるものが全く違います。

ロードコースの場合、少なくともいくつかのコーナーがあります。右コーナー
があれば左コーナーも。ヘアピンがあれば高速コーナーもあります。コーナー
とコーナーが直線で結ばれている場合もありますし、S字コーナーのように連
続している場合もあります。

ロードコースを走っていてあるコーナーでミスをしたとします。よくある話で
す。その場合、ラップタイムはドラスティックに遅くなるものでしょうか。実
は上手いドライバーの場合は、ミスがそれほどラップタイムに影響しないので
す。なぜかと言うと、あるコーナーでミスをしても他のコーナーがことの他う
まくまとめられる場合があるからです。あるいはヘアピンの進入で突っ込み過
ぎてインにつけなかったとします。うまいドライバーならインにつかずにクル
マの向きを変え、すぐさま加速重視の走り方に切り替えます。結果、ミスが直
接ラップタイムに影響しない、つまりミスが数字的に現れない場合が多い。こ
れがロードコースの特色です。

一方のオーバルはモメンタムレースと言うぐらいですから、慣性力が全てです。

クルマの性能のひとつに加速があります。「ゼロヨン14秒」などと表現され
る発進加速と「2速60Km〜100Km5秒」などと表される中間加速です。
どちらの場合もクルマの加速性能、つまり加速の速さの尺度である『加速度』
は後輪の駆動力(エンジンの出力、サスペンションのジェオメトリー、タイヤ
のトラクションなどからなる複合的な力)で決まります。またブレーキングで
もクルマは『加速度』を発生します。「100Km〜停止が20m」などと表
現されます。速さに対してはネガティブな要素ですが、速く走るためには大き
な減速加速度必要です。

周回路を走る場合、それが真円でない限りクルマは加速と減速を繰り返します。
周回路の低速区間を全開では走れないからです。そこで質問。加速の『加速度』
と減速の『加速度』はどちらが大きいと想いますか?

アメリカのトップフューエルやファニーカーのようなドラッグスターを別にす
れば、どんなクルマでも、例えF1でも減速加速度が加速の加速度を上回りま
す。簡単に言えば、クルマは「とまるのは得意だけど、加速は苦手」というこ
とになります。実際、ある速度からある速度までの加速は、同じ速度域での減
速より時間がかかるものなのです。

おわかりでしょう。ロードコースでトラクションが重視されるのはこういった
理由からです。しかし、繰り返しになりますが、ロードコースの場合はとりあ
えずあるコーナーを立ちあがったらコーナリングはそこで完結します。コーナ
ーがそれぞれ独立している、と言ってもいいでしょう。

しかし、しかしです。オーバルコースに完結する部分はありません。走り始め
たら走り終わるまでがひとつにつながっています。この違いがわからないとオ
ーバルコースを速く走ることはできません。

アメリカでオーバルコースを攻略する時によく使われる言葉に「直線的に走る」
というのがあります。ただし、間違わないで下さい。あくまでも概念のことで、
直線的に立ち上がれと言っているわけではありません。

こう考えてもいいでしょう。楕円形をしたオーバルコースでは確かに減速が必
要です。でなければ壁に貼りつきます。前に述べたようにクルマは加速が苦手
ですから、本来ならばコーナーのない直線だけのコースなら同じ距離をずっと
速く走れます。そこで、直線と直線を結ぶターン(そうオーバルではコーナー
とは呼びません)をできるだけ速く走ることでオーバルコース全体を『直線』
として見なそう、という考え方です。ターンにしろコーナーにしろ速く抜ける
ことは速く走るために重要です。しかしターンの前後に明確な直線があるオー
バルコースでは『クルマが苦手な加速』を補い1周を速く走るための必須条件
なのです。

次にオーバルコースの走り方の話です。

オーバルコースのターンはごく一部の例外を除いて、いわゆるロードコースで
いえば180度コーナーです。長いコーナーです。いくら回ってもなかなか出
口が見えません。限界速度で走っていればタイヤのグリップの全てがコーナリ
ングフォースを生むことに使われています。筑波ドライビングワークショップ
で定常円を経験した方はわかると思いますが、速く走りたいからと言ってスロ
ットルを開けるとアンダーステアが出たりFRならオーバーステアになったり
、クルマのバランスを崩すだけで車速は上がりません。運転手にできることと
言えば、単純に通過速度をできるかぎり高く保ち、ただ「待つこと」だけです。

ここからオーバルコース独特の走り方とクルマのセッティングが生まれます。

ロードコースでは当たり前ですが、オーバルコースではコーナーの手前でその
コーナーの限界速度付近まで減速することはしないのです。オーバルコースの
形状にもよりますが、ストレートを走ってきて最高速度を保ちながらターンに
入る場合もあります。「そんなことをしたら飛んでっちゃうじゃないか!」と
は言わないで下さい。そう思う方はまだクルマの挙動変化に対する理解が足り
ないのです。オーバルコースではタイヤのグリップの限界を使って、高い速度
を維持しながらターンインができるように走るのです。ここでYRSの教科書
に乗っている摩擦円と過重移動の理論が役にたちます。まだ読んでいない方は
目を通して下さい。

つまり、そのままでタイヤのグリップが負けて曲がれない速度でターンインし
たいと思った時、スムースなトランジッションから減速に移りブレーキングに
よる過重移動でフロントのグリップを上げることによりクルマを曲げるのです。
従って、オーバルコースではターンインしてからも明確にブレーキングをし、
減速します。

長いコーナーではなかなか加速に移れませんから、ここでも摩擦円の理論が役
に立ちます。タイヤのグリップの範囲でじょじょにコーナリングフォースをト
ラクションに変えるのです。

そう。オーバルコースではターンの前半と後半ではまるっきり走り方が異なり
ます。前者の場合はクルマが減速しています。後者の場合は加速しています。
同じ曲率の前半と後半ですが、性格は全く違います。ここにオーバルコースで
前半をターン1(もしくはターン3)、後半をターン2(もしくはターン4)
と呼ぶ理由があります。

進入と脱出でタイヤの全てを使えると仮定するならば、残された問題は通過速
度だけです。つまりどこでブレーキをリリースするかということです。

しかし、これが難しい。オーバースピードでターンに入ります。過重移動を利
用してフロントを食いつかせます。適当なところで減速を終了できれば問題な
いのですが、もし「人的に作り出したフロントのグリップ」に頼りすぎてター
ンインしてくると、ブレーキを離したとたんにクルマはアウト側に進みます。
かといって余裕をもって減速して入ってくれば速く走れない。少なくともター
ンインからターン4の脱出までタイヤをキッチリ使った人には勝てません。

想像してみて下さい。ターンインしてもブレーキを踏んでいる。スピードも出
ている。ブレーキを離したらタイヤが本来のグリップに戻ってしまうのですか
ら、アンダーステアが怖くてブレーキを離せない。どんどん速度は落ちていく。
クルマが安定したら、そこはもうターン4だった。いや、冗談ではありません。
実際にあることです。

オーバルコースでももちろんクルマに頼って速く走ります。しかしクルマの性
能が高くても速さを手に入れられるかは別問題。運転手が速く走れなければ速
く走れない。当たり前のことが起きるのです。

定常円を10周したとします。それだけで進入を20回、脱出を20回行わな
ければならないのです。いつも正確にタイヤのグリップをキチンと使いながら
走ることができますか?

アメリカでは草レースでもハーフマイルオーバルを50周します。進入が10
0回。脱出が100回です。NASCARウィンストンカップではマイルオー
バルを200周するレースがあります。進入が400回に脱出が400回。そ
の間は常に「過ぎてもだめ、足りなくてもだめ」なのです。まるで人間のミス
を待っているような設定ではありませんか?

どんなクルマでもそのクルマの性能以上には速く走れません。天才と言われる
人達でさえそうなのです。むしろ天才と呼ばれる人はクルマの限界をごく細か
な単位で見極めることのできる人なのです。逆に遅いドライバーの場合は何か
が欠けています。しかしそれは、必ずしもハード面だとは限りません。

人工的な速さには限界があります。ですが、人為的な速さには限界はありませ
ん。少なくともクルマの性能を100%常に引き出せるところまでは到達でき
るはずです。

ストレートエンドでスロットルを離します。極端に過重が移動しないようにそ
っと離します。ブレーキペダルに足を乗せます。さらに過重を前に移しフロン
トを落ち着かせます。スムースにターンイン。クルマの挙動を察知してアンダ
ーステアが出そうだったら前過重を増やします。リアがスライドしそうだった
らブレーキを緩めます。どちらもクルマがバランスを崩さない範囲でスムース
に行います。

クルマが安定したらブレーキを離します。理想的には、この時の速度がそのク
ルマの旋回速度限界であることです。決して難しいことではありません。その
速度でクルマが安定するようにブレーキングを終了すればいいのです。ブレー
キペダルからスロットルペダルに足を戻します。速度を維持するだけスロット
ルを開けます。クルマがローリング(ロードコースで言うところのイーブンス
ロットルに似る)を始めます。待ちます。待ちます。ターンの大きさによって
時間は変わりますが、出口へ向かい横Gが減るまでひたすら待ちます。同時に
できるだけ大きな曲率でラインを組み立てます。進むほどにステアリングを戻
せるはずです。横Gがさらに減ります。その減少こそ、タイヤが加速にグリッ
プを振り分けられるようになったというサインです。じょじょにスロットルを
開けます。間違っても速度の低下を招くアンダーステアを出しては行けません。
開け過ぎでテールを振っても行けません。目指すは次のターンの入り口までに
いかに加速するかということです。ストレートを走ります。どうやったら高い
スピードを保ちながらクルマのモメンタムの向きを変えることができるかを考
えます。

オーバルコースで急激なステアリングができる。あるいはつんのめるようなタ
ーンインができる。それはあくまでもその地点での速度が「遅すぎる」からで
きるのだということを覚えておきましょう。もし後ろから速いクルマが来れば
抜かされる場面です。

どうですか?少しはオーバルコースの走り方がイメージできましたか?

ユイレーシングスクールが筑波サーキットのジムカーナ場に設置する楕円形の
定常円は1周176.5mの小さなものです。ですが、オーバルコースに求め
られるテクニックを全て使えないと速くは走れません。定常円を速く走れるよ
うになれば、ロードコースのコーナリング速度を上げる助けにもなります。

ぜひ筑波ドライビングワークアウトに参加してみて下さい。そこではハードに
頼らない人為的な速さを身につけることができます。クルマさんと仲良しにな
る方法を見つけることができます。

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