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         Go−CircuitNo.263(01/15/09発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。思い通りに走らせるのはもっと楽しい●しか
しクルマがなかなか思うように動かない時がある●クルマの運転は簡単そうで
難しい●が、難しいことに感謝しなければならいない●難しいからこそうまく
できた時の喜びは大きい●うまくなろうとする過程がまた楽しい●うまくなろ
うとするから工夫する●今の時代、クルマを使い倒さなければもったいない。
||    Proud of Our Tenth Anniversary     ||
》》》Be Smarter, Drive Sater, and Drive Faster! You can do it!!《《《
         【  Yui Racing School Offers Serious Entertainment  】
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|1) YRSサイトアップデート
|2) ユイレーシングスクールの足跡 3
|3) 参加申し込み受付中
|4) クルマを走らせる その7			トム ヨシダ
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|1) YRSサイトアップデート
・2009年ユイレーシングスクール日程掲載
http://www.avoc.com/9misc/info/schedule2009.shtml
・YRSオーバルFSWラップタイム 1,550名の記録
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?yof,b,01
・YRSオーバル筑波ラップタイム 222名の記録
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?yot,b,01
・YRS筑波コース1000ラップタイム名前順 5,429名の記録
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?t1k,n,01
・YRS筑波コース1000個人別ベストラップ 1,862名の記録
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?t1k,b,01
・YRS富士ショートコースラップタイム 928名の記録
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?fsws,b,01
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|2) ユイレーシングスクールの足跡 3
  1999年12月9日に桶川スポーツランドで初めてのYRSドライビング
ワークショップを開校してから9年。この間、ユイレーシングスクールに参加
してくれた延べ10,063名の方とともに、ユイレーシングスクールは誇り
を持って10周年を迎えます。

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  当初からユイレーシングスクールは体系的にクルマの運転を学び、クルマの
運転を楽しむ環境の構築を目指してきた。規模を拡大することでも、派手さを
求めることでもなく、受講した人が納得し、その人の運転が上達することを最
大の課題として取り組んできた。その理念の元、ドライビングスクールやドラ
イビングワークショップの卒業生が次のステップに進むためにエンデューロと
スプリントのスクールレースを開催してきた。どちらも2001年に始めたも
のだから、今年で9年目に入る。
  一方、カーコントロールができないと危険度が増し楽しくもないオーバルレ
ースは、オーバルスクールの卒業生が一定数に達し富士スピードウエイのジム
カーナ場がリニューアルオープンしたのを機に2004年から開催を始めた。

  運転が好きな人全てが自動車レースに参加すべきだとは思わないし、運転が
好きでも人と競争するのは苦手だという人もいるだろう。なのになぜスクール
レースを開催するかというと、レースに参加することはドライビングテクニッ
クの上達に大きく寄与すると同時に、運転する人間により大きな喜びをもたら
してくれるからだ。従って、ユイレーシングスクールはドライビングスクール
を運営する上で、スクールレースの存在は欠かせないものだと考えている。
  ここで言う喜びとはレースに勝つことではないし、勝者を称えることだけが
スクールレースの目的ではない。
  クルマを思い通りに動かすのには一定のルールが必要なように、レースで好
成績を修めようとするならば自動車レースに対しての理解が必要だ。競争だか
らと言って、自動車レースが無秩序に行われているわけではない。即ち、クル
マの運転に求められる人間とクルマの制御が、そのまま自動車レースにも求め
られる。

  運転とレースを目的通りに行うためには、共通したいくつかの重要なことが
ある。情報収集、状況判断、客観性の維持、検証の持続、自己認識、そして集
中力(意欲)だ。どれが欠けても満足な結果は残らない。
  ということは、実は運転にしろレースにしろ、それを行う前に既に大方の結
果が予測できる。砕いて言えば、どちらにしても操作云々よりも精神的な面に
負うところが多いから、ことを起こす前にその人がどんな運転をするか、どん
なレースをするかあらかたの結果は出ていると言って差し支えない。
  こう言いきるにはわけがある。レースに参加してみるとわかるが、速い人が
必ずしも勝つとは限らない。参加者全員が同じ目標に向かって行動する時、操
作よりもクルマの改造度よりも勝敗の行方を左右するのはその人の意識、つま
り精神的なものなのだ。だから練習や予選という単純な流れ、つまり自分の自
由裁量がきくうちは速くても、同じ目的を持った人同士が大きな流れを作り、
その中に放り込まれると途端に全ての歯車が狂い出す。
  こんな言い方もできる。「レースに参加してみませんか?」と聞くと、「レ
ースなんか危なくて!」と答える人が必ずいる。それらの人はスポーツ走行で
見ず知らずの他人と先を競って走っているというのにだ。スポーツ走行が安全
でレースが危険だという認識は全く間違っている。正確に言えば、スポーツド
ライビングを楽しんでいるうちはいいのだが、ラップタイムの短縮に血まなこ
になりだすと危ない、と言っているのだ。スポーツ走行に集う人の意識はみん
な異なるはずだ。目的も、手段も異なるはずだ。そこには共通した認識はない。
秩序が保たれているとしたら、それはあくまでも同じ土俵に上がっている者同
士の連帯に似た無意識行動のなかでの産物なのだ。

  一方、レースには、主催者がレースというものをわかってさえいれば、そこ
には歴然とした秩序がある。誰もが勝ちたいと思ってレースに参加していても、
守らなければならないことがあることを明確に示すことができれば、レースに
は秩序が生まれレースそのものが安全になる。レースで好成績を残すのには、
クルマとそして自分の限界を超えてはならないという指標を示すことができれ
ば、参加者は純粋に運転を楽しむことができる。結果がどうであれ、参加して
いる人は運転に対する幅が広がり、ますます運転が楽しくなる。それは、レ
ースを通じて『自分の分』を見つけることができるからだ。
  等身大の速さ、うまさ。自分の実体が見えた時、それが速かろうが遅かろう
が、うまかろうが下手であろうが、そこから先に続く道がはっきりと見えてく
る。
  ユイレーシングスクールは、クルマと対峙する『自分』を見つけることこそ
が運転の達人になることだと考えている。
  運転という行動は日常のものだ。しかしスポーツドライビングもそうだが自
動車レースともなると同じクルマを運転するという行為をしていても、そこに
は非日常の意識が顔を出す。そして、非日常の中で見つけた自分こそ本当の
『自分』なのだ。ドキドキ、ワクワクしながらも、遠く透き通った意識の中で
自分を探すこと。これもクルマが我々にもたらしてくれる大きな楽しみのひと
つだとユイレーシングスクールは確信している。

  YRSエンデューロとYRSスプリントはユイレーシングスクールを卒業し
た人ならば誰でも参加できる。YRSオーバルレースはオーバルスクールを卒
業した人ならば誰でも参加できる。
  今年こそ、自分を見つけるためにモータースポーツの世界を覗いてみてはど
うだろう。
  
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  運転の上達に終わりはない。ユイレーシングスクールで教える立場の我々を
含め、受講した延べ1万人の人達もまだまだ運転がうまくなる可能性を大いに
秘めています。ユイレーシングスクールはその可能性を高めることを目標に1
0年目を迎えます。
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|3) 参加申し込み受付中
  現在、以下のカリキュラムの参加申し込みを受け付けています。
|  ◆ ◇ ◆  クルマの運転の楽しさを味わってみませんか?  ◆ ◇ ◆
| ※申し込み期日を過ぎても定員に達しない場合は引き続き受け付けを行いま
| す。枠がある場合は当日受け付けも行いますが電話でご連絡下さい。開催日
| 前3日を過ぎてからの申し込みは受講料を当日の受け付けでお支払い下さい。
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|■ 2月14日(土) 2009YRSエンデューロ第一戦 筑波
  ユイレーシングスクールでは今年もエンデューロレースを開催します。今年
もテーマは人間の知恵と工夫でクルマをより遠くまで走らせることです。レ
ースフォーマットは130分のチェッカー優先耐久レースです。今年もソロエ
ントリを受け付けます。詳しくはお問い合わせ下さい。

・2009YRSスプリント第一戦 筑波 規則書
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yes
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|■ 2月14日(土) 2009YRSスプリント第一戦 筑波
  今年もロードスタークラスとオープンクラスに分けて2ヒートのスプリント
レースを行います。ただしYRSレース初参加の方が多い場合は別途カブクラ
スを設けることもできます。詳しくはお問い合わせ下さい。

・2009YRSスプリント第一戦 筑波 規則書
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yss
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|■ 2月20日(金) YRSドライビングワークショップFSW
  加速する、曲がる、止まる。クルマの3つの機能をそれぞれ最大限に発揮さ
せる方法を楽しみながら練習します。開催場所は富士スピードウエイジムカー
ナ場です。

・YRSドライビングワークショップFSW開催案内
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwf
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|■ 2月22日(日) 吉田塾
  昨年は1回しか開催できなかった吉田塾を再開します。クルマに興味のある
方はどなたでも歓迎です。ビデオやDVDをお持ちになれば150インチのス
クリーンでみながらシニアインストラクターのアドバイスが受けられます。ク
ルマで来られればドライビングポジションの確認や操作のコツをお教えするこ
とができます。もちろんサーキットを離れてのクルマ談義も楽しいものです。
  参加費には昼食代が含まれています。クルマと運転にまつわる質問や疑問の
ある方はぜひおいで下さい。YRSのシニアインストラクターがわかりやすく
解説します。
  ペーパードライバーの方も大歓迎。20台収容できる駐車場を使って操作の
仕方をお教えします。

・吉田塾開催案内
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=ysd#0
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|■ 2月28日(土) YRSドライビングワークショップ筑波
  加速する、曲がる、止まる。クルマの3つの機能をそれぞれ最大限に発揮さ
せる方法を楽しみながら練習します。開催場所は筑波サーキットジムカーナ場
です。

・YRSドライビングワークショップ筑波開催案内
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwt#0
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|■ 3月6・7日(金・土) YRSツーデースクール
  YRSツーデースクールも7回目を数えます。2日間クルマと運転のことだ
けに没頭できる至福の時間です。インストラクターが運転にまつわることを全
てお教えします。今回は2日目を土曜日に設定しているので通常より参加費が
高くなっています。ご了承下さい。

・YRSツーデースクール開催案内
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=2ds
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|4)クルマを走らせる その7			トム ヨシダ
  ユイレーシングスクールはいわゆるミニサーキットで運転を教えている。自
前の教習所があるわけでもなく、以前教習所を使わせてもらいたいと近くの教
習所に幾度となくお願いもしたが、教習所では公安委員会が指定した教習以外
のカリキュラムを行うことはできないとことごとく断られたため、安全に運転
を教えられる場所としてミニサーキットを選んでいる。ミニサーキットやジム
カーナ場でスクールを開催しているから、いきおい受講者のほとんどが速く走
りたいと思っている人になるのはいたしかたないところだ。本来ならば教習所
を卒業して免許証を手にした人を対象に一般道の走り方を教えたいのだが、今
のところ需要も少なく実現には至っていない。
  余談だが、アメリカではイエローページをめくれば運転を教えてくれるとこ
ろが簡単に見つけられるのに、と思うと日本の画一的な運転教育があってあの
日本の交通秩序と交通安全が成り立っていると思わざるを得ない。
  そんなわけで現実のユイレーシングスクールの門をくぐる人はまず運転が好
きな人ということになる。運転が好きで運転が上手くなりたいから受講料を払
ってでもユイレーシングスクールを受けに来てくれる。安全にクルマを動かす
方法を広めたいユイレーシングスクールとしてはありがたいことだ。
  では、そんな「運転が好きな人」はどんな運転をするのだろうか?
  結論から言うと、まさに十人十色。30名のクラスがあれば30通りの運転
の仕方を見せてくれる。と言っても無茶苦茶な運転をする人がいるというわけ
ではない。ちまたでは厳しいと評判になっている(?)ユイレーシングスクー
ルだからなのかはわからないが、しごく常識的な運転をする人が受講しに来て
くれる。
  そんな受講生に対し、座学ではまず頭を使って運転することを徹底的に教え
る。具体的に言えば、タイヤの特性の説明やタイヤの限界内でクルマを走らせ
るコツを教え、逆にやってはならないこと、つまりクルマのバランスを崩す原
因になる操作をやらないように徹底する。と言っても、走りながら考えるのは
勧めない。走ることと、運転することを考える時間を増やしてほしいと伝える。
座学で習ったことをその日のうちにできるはずもなく、座学と練習で得たもの
を基本に日ごろから運転について考える時間を増やすと、運転がもっと楽しく
なるし最終的には運転がうまくなりますよ、と説明しているのだ。
  クルマを安全に走らせるという概念が頭で理解できると、その先の「速く走
らせる」ことや「スムースに走らせる」ことが簡単になる。大方の受講生がサ
ーキットを走る意思があるからなのだが、次いでクルマを安全に速く走らせる
ことを前提に広場にパイロンで作った楕円形のオーバルコースで練習をしても
らう。
  この時のテーマはタイヤの限界を越えるか越えないところで周回を続けるこ
と。要するにできるだけ速くコンスタントにパイロンに沿って走ってもらう。
この定常円練習がユイレーシングスクールの「売り」なのだが、この練習を見
ていると、走っている人の意識が実に良く見て取れる。運転の上手い下手は受
講者の経験によって変わるし速さも経験によって変わるから、定常円練習の時
のリアルタイムアドバイスは、純粋に受講生の運転に対する意識をさぐりなが
行うことにしている。
  具体的にどんな走り方をするかと言うと、直進状態になったら一旦はスロッ
トルを床まで踏み込みクルマをフル加速状態にする。コーナーが迫ってきたら
スロットルを戻しブレーキに右足を移し、いつもより高い速度からブレーキに
足を乗せたままステアリングを切る。いわゆるトレイルブレーキングを使った
ターンインを行う。クルマが円運動を始めたら右足をスロットルペダルに移し
てイーブンスロットル状態を作りコーナーの出口に向かう。これだけのことだ。
  各受講生に自分なりの速さで走ってもらうように告げるからそんなに難しい
とは思わないのだが、たかだか1周14秒ぐらいのオーバルコースを走るので
もギクシャクしてしまう人が少なくない。なぜか?
  定常円練習についてはまたの機会に運転の話で触れようと思うので、ここで
はあくまでも運転者の意識について話を進める。
  
  運転が好きで速く走りたいという願望がある人が、なぜ定常円練習でギクシ
ャクするのか?まぜ自分の思い通りにクルマを動かすことが出来ないのか?経
験が少ないからできないという声を実際にスクールの現場で聞くことがあるが、
経験があるとかないとかの話ではなくて、出来ないのはその時に「パイロンに
沿ってできるだけ速くコンスタントに走り続ける」というテーマが与えられた
からだ。どうやって走るかという情報は座学でも同乗走行でも伝えているから
不足しているはずはない。それでもできない。要するにテーマをこなせないと
いうことだ。
  インベタで走っている限りコーナーの立ち上がりではスロットルを開けても
加速しませんよ、と言っているのに、気持ちが先行してスロットルを開けなが
らコーナリングするものだから、アンダーステアが発生して大きくはらんだラ
インしか通れない。ブレーキを踏むのが遅れると制動力が強すぎてアンダース
テアを誘発しますよ、と言っても、これでもかというほどコーナーギリギリま
でスロットルを開けておいてブレーキをガツンと踏みステアリングをバキッと
切る。見事にアンダーステアが出てパイロンから遠ざかる。
  テーマをこなせない。それはどう見てもテーマを理解しているとは思えない。
次のステップへ進むための定常円練習なのだが、そこで息詰まってしまう。想
像するに、おそらくこういう人は普段もなにげなく運転をしている人なのだと
思う。速く走るのにはスロットルをたくさん開けて。速く走るのにはステアリ
ングをバキッと切らなければならないと短絡的に思い込んでいる人なのではな
かろうかと思う。さらに言えば、クルマの状態を確認しながら運転するでもな
く、周囲の交通に気を配るでもなく、全て運転する自分を中心とした発想でク
ルマを動かしているように感じる。平たく言えば、言葉は悪いが行き当たりば
ったりの運転を日ごろからしているのではないかとさえ思うし、心配になって
しまう。ここでいうテーマとは、まず「パイロンに沿って・・・」なのだから
速く走るとパイロンから離れてしまうのならば、パイロンに沿って走れるだけ
速度を落とさなければならない。これがクルマを制御するということだ。あく
までも、その上で次のテーマである速さの追求が始まる。
  と言っても当人が悪いわけではなく、運転というものを体系的に手軽に学習
する機会がなかったのが大きな原因のはずだ。実際、当人はいたってまじめに
なんとかしようと努力する。うまくいかないからと再びユイレーシングスクー
ルを受講してくれる。もちろん回を追うごとに上手くなるし、それはそれで嬉
しいことなのだが、教える側にしてみれば日ごろからもう少し運転というもの
を意識しておいてくれればなぁ、とつい思ってしまう。
  『自分の中でイメージする速さが優先していて、クルマが速く走るための理
屈を理解できていない』。ここにクルマの運転の難しさがある。「速さ」を
「安全」に置き換えても同じことが言える。「速さ」を「ラインに乗せる」に
置き換えても同じことが言える。つまりは、クルマの運転というものは運転者
主導では絶対にありえないということだ。冷蔵庫で物を冷やす。洗濯機で衣類
を洗う。といった家電製品を操作するのとは、同じ道具を使うのであっても根
本的に異なる。それが、移動する道具を人間も移動しながら操作しなければな
らないという『クルマの運転』に永遠についてまわる遠大な課題だ。
  時おり、サーキットを走ったこともなく、普段はおとなしく運転しているだ
けという受講生がものの見事にオーバルコースを走る。経験が足りない分タイ
ヤの限界を越えてまで走ることはできないが、とにかくクルマの姿勢制御が抜
群に上手い。筑波サーキットドライビングスクールでは定常円練習のあとでサ
ーキットを走るのだが、初めてなのに経験者に劣らない速さで周回してみせて
スタッフを驚かす。そんな受講生がいるのも事実だ。
  だからユイレーシングスクールが教えていることは実行不可能なことではな
い。しかしサーキットを10時間も走っているという人が初めての定常円練習
でド・アンダーを出し、それを修正できないことがあったのもまた事実なのだ。
  クルマの運転をなめてはいけない。確かにクルマは人間の能力を拡大し、自
由を与えてくれる夢のような道具ではあるけれども、その自由を無制限に享受
できると思っていたらそれは大きな間違いだ。自由を手に入れる。思い通りに
クルマを動かしたいのなら、クルマがどうやって動き、どうすると安全にクル
マを走らせることができるかを理解する努力が必要だ。理解するためには考え、
想像しなくてはならない。ユイレーシングスクールがどのプログラムでも一環
して教えているのは、そのためのたたき台になるあなたひとりだけのたたき台
なのだ。
  クルマの限界は人間のそれよりはるかに高い。人間がクルマの限界を越えな
くても十分に自由を手に入れることができるほどクルマの性能は高い。あなた
は、おそらくクルマのなんたるかを知らずに運転しているかも知れない。しか
し、あなたの運転が下手でも上手くても、日ごろ安全に移動し目的を達成でき
ているのはクルマのおかげなのだから、少しはクルマ側の事情を察知しながら
運転できるほどの意識と余裕を持ってみてはどうだろうか?
・ユイレーシングスクール教科書
http://www.avoc.com/5media/textbook/textbook.php?page=0
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