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走っているクルマは常に動いている!

答えを先に言おう。静止状態で同じ大きさの摩擦円を持つタイヤを履いたクルマであっても、クルマが動き出し加速している状態では後輪の摩擦円が大きくなる

なんとなく理由がわかるかな?

君がスロットルペダルを踏み込んでクルマが加速し始めた。君は何を感じる?のけぞるような感覚に教われるだろう。その地点にとどまろうとする君を動き出したクルマが移動させようとする。その時に生じる後ろに引っ張られるような感覚。その時クルマにはどんな力が働いているか考えたことがあるかナ?

止まっている時に比べてフロントが持ち上がりリアが沈み込むのを体感したことはあるだろう。そう。慣性の法則が生むウエイトトランスファー − 荷重の移動が起きたのだ。簡単に言えば「重さが後ろに移動した」のだ。

すると何が起きる?

学校で習ったはずだ。摩擦力は摩擦係数と垂直荷重の積で表わされると。この場合摩擦力はグリップだ。摩擦円の大きさだ。荷重がリアに移動したクルマの後輪には静止状態よりも大きな軸重がかかる。それがそのまま2本の後輪にかかる。タイヤの摩擦係数は変わっていないものの荷重が増えた分だけ摩擦力が増える。すまわちタイヤのグリップも大きくなる。これが答えだ。だから図では後輪の摩擦円を静止状態の時より大きく描かなければならない。なにしろ実際のグリップも大きくなっているのだから。

では荷重が後ろに移動したことによって前輪には何が起きたか?そう。荷重が抜けたことにより静止状態の時よりも前輪にかかる垂直荷重が減った。すなわち摩擦力が減る。グリップが減る。だから摩擦円は小さく書かなければならない。

※ここまで読んできてヘアピンの立ち上がりでアンダーステアが出る理由がわかった人は見込みがある。全てクルマの動きには操作との因果関係が介在するのだ。

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