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ドライビングスクールとスクールレース

・ユイレーシングスクールは、卒業生を対象としたスクールレースを開催しています。ドライビングスクールのプログラムの一部として自動車レースを取り入れているのです。レース形態は2001年に筑波サーキットコース1000のオープン後に始めたYRSエンデューロとYRSスプリント。富士スピードウエイのリニューアルオープン後に始めたオーバルレースFSWです。

・ユイレーシングスクールはあらゆる状況下で正確にクルマを動かせるようになることをスクールの目標として定めています。レースに出走する全員が勝利というただひとつの目標に向かって走る時、ひとりで走っていては経験できない運転の難しさと直面します。競り合っている場合にはひとりで走っている時のように自由なラインを走れないことがほとんどです。気分が高まってしまうこともあるでしょう。レースに求められるものは、常にクルマと自分をコントロール下においておくことのできる強い精神力です。
・勝つためには多少の無理も必要な場合もあります。しかしその結果が必ずしも速さ、つまり勝つことの努力に結びつかない場合のほうが多いのです。レースに勝つということは、あらゆる状況下でクルマの性能を絶えず100%発揮させられるかにかかっています。レースに参加して、勝つことよりもレース中に自分を見失わずに常にクルマをキチンと動かすことに集中すれば、その時に初めて運転技術と運転に対する意識が融合してうまい運転に近づけると考えています。

・スクールを受講した人全てがレースに参加したほうがいいとは考えていません。他人と競争することが苦手な人もいます。逆に一度もクルマを速く走らせたことがないのにスクールを受講したことでレースへの参加を決意した人もいます。自分を試してみたい、と思う人だけがレースに参加すればいいのです。ユイレーシングスクールではそんな人のために手軽に(気軽ではありません)参加できるスクールレースを用意したのです。

・レースというとクルマを改造して安全装備も用意してと走る前にやるべきことがあり、それだけで参加することを躊躇してしまいがちです。運転を楽しみ、うまい運転ができるようになりたいと願う人にとって、レースに参加したくても参加できないのは不幸なことです。・ユイレーシングスクールでは、卒業生にふだん乗っているクルマでかまいませんからレースに参加してみてはどうですか、と呼びかけています。望む人は誰でも参加できるようにです。車両規則もありません。費用のかかる安全装備も必要ありません。レースも速度域の低いミニサーキットで行います。唯一の決まりは、キチンとクルマを動かす方法を知っているユイレーシングスクールの卒業生同士でレースを行ういうことだけです。それが最高の安全策だからです。

・スクールレースに参加している人は卒業生のうちの250人程度にしか過ぎません。しかし、そのほとんどがドライビングスクールを受講した時には自分がレースに参加することなど想像もしていなかった人たちばかりです。・ある人は軽自動車でレースに参加しました。ATのステーションワゴンで参加した人もいます。参加する前から勝てないとわかっているレースに出ても意味がない、といった声もあります。しかし日本で行われているレースは、人口の割りにおそろしく高度なレースばかりです。運転を楽しむためにレースに参加したいという人たちにとって、自分を試す機会を得ること自体が至難の業なのです。

・しかし、勝てる見込みのない人も参加するレース。車両規則のないレース。競技ライセンスもいらないレースとはいえ、ユイレーシングスクールのスクールレースのレベルは決して低くありません。ドライビングスクールを受講した時には自分がレースに参加することを想像すらしなかった人がスクールレースに参加する。そんな人たちがロードスターのパーティレースに挑戦したことがあります。結果はデビューレースで2位に入賞しました。格式のないレースだから内容に乏しいのではなく、大切なのはそのレースが何を目指して行われているかということだとユイレーシングスクールは考えます。

・ユイレーシングスクールのエンデューロ(耐久レース)は130分の時間レースで行います。チームを組むのは4人まで。レース中ピットストップが3回義務付けられていますが、ピットストップの時間は全てタイマーで1回2分30秒に統一しピット内での無用の競争を避けコース上のみで争える仕組みにしました。

・2001年にエンデューロを始めた時は120分の時間レースで1回3分のピットストップが義務付けられていました。筑波サーキットコース1000の話ですが、こんな話があります。

・2001年の第1戦で1位を走っていたロードスターがフィニッシュまで5分というところでガス欠になりました。そこまで走っていた周回数は137周。おおよそ106分で137Kmを走ったことになります。ところがその後レースが130分に延長されてもガス欠になることはなくなり、回を重ねるごとにさらに平均ラップタイムは向上し周回数が増えていったのです。現在は、同じロードスターが実質122分のレースで165周を記録しています。16分走行時間が増えただけなのに周回数は28周増えている計算です。しかもレース後にガソリンは十分残っています。なぜ最初の年に137周しか走れなかったガソリンの量で165周できるようになったのか。それは速く走ることに対してクルマの性能を引き出すのがうまくなったからに他なりません。

・こんな話もあります。チームではなく一人でエンデューロを走ってみたいという申し出がありました。どこまでできるかわからないけど自分に挑戦してみたいから、と言うのです。1回目のピットインの時。やっぱりダメかもしれないと肩を落としました。それではこうやって走ってとアドバイスをして送り出したところ、2回目のピットインでは大丈夫かも知れない、という声が帰ってきます。3回目のピットインの時には、もう大丈夫と元気よくピットを後にし、その最後のスティントでそれまでの自己ベストを上回るラップタイムを記録したのです。

・ユイレーシングスクールのスプリントレースはヒートレース制をとっています。一日に何度もスタートをすることでスタートの練習にもなりますし、ライバルとの駆け引きも楽しめます。スタートは駆動系に負担をかけないように常にローリングスタートを採用しています。費用をかけてクラッチ強化していなくても不利にならないようにするためです。
・2001年当時は予選順にヒート1を走り、そのフィニッシュ順でヒート2。さらにそのフィニッシュ順でファイナルヒートを争いました。スプリントレースが定着したのを機会に、ヒート1のスターティンググリッドを予選上位6台のみ入れ替えるインバートスタートにしました。現在ではヒート1を全て入れ替えるフルインバートスタートを採用していますが、フルインバートスタートで行われた初めてのスプリントで期待通りの結果がでたのです。グリッド上位には予選下位のドライバーが並ぶことになりますが、レースがスタートするやいつもは下位に低迷するそのドライバー達が見違えるような走りを見せたのです。そして、そのヒート1の間に次々とラップタイムの自己ベストを塗り替えていったのです。

・ユイレーシングスクールのスクールレースに最後に登場したのがオーバルレースです。富士スピードウエイのジムカーナ場で開催するオーバルスクールFSWで使用する44x104m。一周350mにも満たない楕円形のコースでレースを行います。レース形式はアメリカのショートトラックレースのシステムをそのまま導入し、たった2周の予選からヒートレースへと進み、現在はファイナルヒートを50周で行っています。一周15秒のコースを50周。過去のロードスタークラスの最多出走台数は22台。ローリングスタートでレースが始まるやテールツーノーズ、ドアツードアの争いがフィニッシュまで続きます。オーバルレースでは他人と同程度の速さを持っていれば十分に戦えます。しかし速く走るテクニックよりもレース中に精神的な破綻をきたさないことが勝つためにはなによりも必要になります。
・半径22mのコーナーを何周にもわたってサイドバイサイドで走り続けることになるオーバルレースは、実際にうまいドライバーを育てます。コーナーで併走しながらライバルの先に行くのには、相手を上回るか速力を手に入れることが必要です。加速力を得るためには何をやらなければならないか、何をやってはいけないか。加速、減速、旋回。連続してクルマの性能の100%を引き出すことができればその回答は見つかります。卒業生が速さを求め、うまさを求める。その熱意に応えられる場を提供したい。そう考えてユイレーシングスクールはスクールレースを開催しています。

・「ゆりかごから墓場まで」というイギリスの社会福祉制度を形容する言葉があります。もちろん意味合いは大きく違いますが、ユイレーシングスクールが目指すものも。クルマの運転にまつわる体系的なシステムを作り上げることです。ユイレーシングスクールが訪れてくれる人たちにとって、自分なりの座標軸を見つけ、自分なりの方法で安全に楽しくクルマと付き合っていくことができる端緒になればいい、そう考えています。

スポーツドライビングを、
もっと手軽に、もっと楽しく、もっとみんなで !

ユイレーシングスクールの標語です

 

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