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君はカッコを取るか中身を取るか?

ある日のレーシングスクール。日本から来た受講生がステアリングホイールにようやく手が届くほどの姿勢で走り出そうとしていた。聞けば、日本ではいつも“ストレートアーム”で走っているという。

「操作し難いんじゃない?」と聞くと、「このほうが慣れてるしカッコいいから」だと。日本ではそういうものなのかと彼の走りを見ていると、何のことはない。ステアリングホイールで上体を支えようとするから余計な力が入いっている。コーナリングは安定しない。

サーキットを走るのを馬鹿にしてはいけない。カッコイイからでは安全に速く走れはしない。間違ってはいけない。サーキットでカッコイイのは、走りの理論がわかっていて自分をコントロールできることだ。

基本ポジション

  • シートのスライドを2〜3ノッチ前に出す。
  • シートバックは起き気味にする。
  • 腰骨をいやというほどシートバックにおしつけて座る。
  • 余裕ができた両足をふんばって上体を安定させる。
  • 肘が90度に曲がっていても、かまわない。
  • ブレーキング時以外にシートベルトの圧迫を感じたら身体が安定していない証拠だ。
  • 心構え

  • サーキットでクルマに乗り込む時、日常の運転から完全に頭を切り替えろ。
  • シートベルトをする時、日常とは別の世界に踏み込む覚悟をしろ。
  • 手袋をする時、「サーキットではすなおになります」と誓え。
  • サーキットを出る時、まず無事であったことを感謝しろ(無傷だった場合だが)。サーキットであったことをとりあえず忘れて公道では安全運転に専念しろ。
  • シートベルト

  • サーキットを走るなら4点式、できれば5点式以上のシートベルトを使うことが望ましい。しかし規則で決まっていなければ3点式でも構わない。なぜならシートベルトは身体をシートに縛り付けるためのものではない。身体がシートの上で安定していなければ5点式シートベルトを使おうと「身体はあっち行ったりこっち行ったり」するはずだ。シートベルトはあくまでも「何かがあった時にドライバーをシートに拘束する」ためのもの、ドライバーレストレイントシステムだ。
  • シートベルトにも寿命がある。3年経ったら交換するよう義務づけているレースもある。
  • 大きな事故にあったことのあるシートベルトは使わない。
  • シート

  • サーキット走行を始める人やあまり経験をつんでいない人はノーマルのシートのほうがいい。
  • バケットシートがサーキット走行の必需品だと思うのは錯覚だ。
  • ノーマルのシートでキチンと走れない人はバケットシートの機能を生かせないと思え。
  • バケットシートの中で身体が踊っているようなみっともない真似はするな。
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