カテゴリー: 運転

交通統計

ユイレーシングスクールでは毎年、警視庁交通局が全国の警察から集めたデータを元に、交通事故の実体を探るための資料を作成し公開している。運転がうまければ交通事故を回避できる可能性が高まると考えるからだ。

近年交通事故の発生件数は減少傾向にある。2004年には年間95万件起きていた交通事故が2019年には38万件にまで減少した。警視庁は交通事故を「車両対車両」、「車両対人」、「車両単独」の3つに分類している。2輪車の事故を含め全ての交通事故の数字だ。
その中で、運転手が唯一の原因であるのが「単独事故」。相手がいるわけではなく、うっかりなのか漫然なのか不注意なのか、それとも運転技術が不足しているのか、いずれにしろ運転手が事故を起こさないという意識を持っていれば一人相撲をとらずにすんだ事故だ。

総交通事故件数に占める「単独事故」の割合も年々減少していて、ここ数年は3%未満で推移している。しかしながら交通死亡事故も減少しているというのに、死亡事故件数のうち「単独死亡事故」が占める割合は25%を超える。つまり、100件交通事故が起きた場合に「単独事故」は3件にも満たないのに、交通死亡事故が100件起きると25件は運転手の意識次第では避けられた事故だったという現実。

8千2百万人の免許人口からすればゼロに等しい数字だが、運転という行為をしている限り「単独事故」を起こさないという保証はない。

運転が上手くなれば避けられる事故もあるだろう。上手くなれば漫然とした運転はしなくなるだろう。上手くなれば更に興味を持つだろうから運転に集中するはずだ。ユイレーシングスクールが運転は上手いほうがいいと主張する理由だ。


全ての交通事故に対する単独事故の割合と
全ての交通死亡事故に対する単独死亡事故の割合


単独事故件数の推移と
類型別単独事故の割合


単独死亡事故件数の推移と
単独死亡事故の類型別割合


第一当事者から見た類型別死亡事故件数

運転が上手くなる方法を理論的に説明し、合理的な練習方法で理論を実践に応用するカリキュラムがユイレーシングスクールの特長です。ぜひ一度座学を聴きに来て下さい。

 


ユイレーシングスクールが考える道具とクルマ

ユイレーシングスクールの主宰者としては、クルマはかけがえのない相棒だと思っている。何よりも、高校1年で免許をとって全長3m、排気量360㏄の軽自動車を公道で運転した時に間違いなく世界が変わったことに気が付き、さらに、クルマは人間に自由と時間を与えてくれる『人間能力拡大器』だと確信したからだ。
以来55年。クルマを相棒として尊敬の念を抱き、相棒とどうやってうまく付き合うかを考え続け、サーキットを走ればまだまだ速くなり、70歳になっても運転を楽しんでいる自分に気づき、改めてクルマの存在をいとおしく思っている。
だから、もっともっとクルマを上手に動かしてあげたい、クルマの性能をキッチリと使ってあげたいという思いが強い。
だから、ユイレーシングスクールに来る人達にももっとクルマを好きになってほしい。
だから、クルマさんと付き合ううえで大切なことを話しておきたいと思った。

世の中には様々な道具がある。包丁のような単純な道具から、高度な技術で作られた複雑なクルマまで、基本的に人間の営みを豊かにするために道具は生まれてきた。ただ、どんな道具にも使い方がある。使い方を間違えれば道具はその機能を発揮することができないばかりか、人間に牙をむくことさえある。

みなさんは包丁でモノを切る時に引いてきりますよね。なぜ引いて切るほうがよく切れるか知っていますか。
包丁の刃が薄いほうがよく切れるということは想像できるでしょう。でも耐久性を考えるとある程度の刃の厚さは必要です。そこで包丁を引くことで、『人為的に』包丁の刃の厚さを薄くしているのです。包丁の刃の厚みが薄くなるわけがないと思う方は、2011年1月にアップしたルノー・ジャポンの公式ブログ「第6回 道具を使う」を読んでみて下さい。

みなさんは小学校の手洗い場に並んでいる蛇口から水が滴り落ちているのを見たことはありませんか。おおかたは水が落ちてないのに、中には滴り落ちている蛇口がある。そんな光景です。
たくさんの子供が開け閉めする蛇口ですが、子供が蛇口の使い方を知るよしもありません。今はカートリッジタイプの蛇口が増えたので水漏れは少なくなりましたが、パッキンを使っている蛇口は漏水と背中合わせです。ではどうすればパッキン式の蛇口を長持ちさせることができるのでしょうか。これも道具の使い方の一つです。
ではどうすればいいのか。水を止めるために蛇口を思いっきり閉めるのは間違いです。いったん蛇口を閉めて水を止めるのはかまわないのですが、その時に力が入りすぎてパッキンを必要以上につぶしている可能性があります。パッキンはつぶれることを繰り返しているうちに厚みがなくなり水を完全に止めることができなくなり、結果として水が滴り落ちることになります。正解は、いったん水が止まったら水が蛇口から漏れる寸前までハンドルを戻す、ことです。

意識してハンドルを戻そうとすると手間がかかり疲れるかも知れません。ですが、パッキンをつぶさないように閉めるのが正解だと理解していれば、そのうちに必要以上の力で閉めることはしなくなります。

クルマも運転も同じです。包丁や蛇口とクルマには大きな開きがありますが、使い方を間違わなければきちんと機能してくれる道具です。ユイレーシングスクールは道具の使い方としての操作を理論的かつ合理的に理解してもらい、それらをたたき台に反復練習できる機会を設けています。全ては道具としての相棒クルマに気持ち良く走ってもらうためです。

みなさんもぜひユイレーシングスクールに遊びに来て下さい。真剣に遊ぶ方法をお教えします。


ブレーキペダルの踏み方 その後

ルノーのブログでブレーキペダルをかかとを上げて踏むことに疑問をなげかけてから、ユイレーシングスクールの卒業生もメールを送ってくれるので紹介します。

実は、お恥ずかしいことにかかとを上げてブレーキペダルを踏まなければならない理由について、思慮が足りなかったようです。いくつかのケースがあるようですが、ハイヒールを履いた女性の場合がそのようです。ただ弁解するわけではありませんが、無視していたわけではなく、50年前に免許を取った免許人口の少ない時代を過ごしてきたものとしては、ハイヒールでは運転しにくいのだから運転用の靴をクルマの中に用意するというのが常識でした。少なくともボクのまわりにはハイヒールのまま運転する人はいませんでした。
いつのころからか、安全に運転するという意識が薄れてきているように思います。免許人口が増えるのと比例して運転に対する意識の平均値が下がったのでしょうか。それともクルマが安全になったせいで人間の安全意識が薄れたのでしょうか。つっかけやサンダルで堂々と大型トラックから降りてくる職業運転手にも、『お前、プロなんだろ』と毒づきたくなること多数です。

横道にそれましたが、KさんとOさんのメールです。
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8月のスクールは無理ですがツーデーには参加するつもりで予定を組んでいます。

さてブレーキペダルとかかとの話題がありましたが、別の角度からみたこんな記事が
Yahooに載っていました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190821-00168208-kurumans-bus_all

しかし女性がかかとを床につけたがらないのは、体格の問題だけではなく、女性用の
靴はハイヒールではなくてもかかとがかなり高いものが多く、かえって不安定になる
可能性があること、また靴の後ろを傷つける可能性があって、おしゃれで高価な靴
だったりすると嫌がることもあると思います。

また運転教則本ではかかとを離して踏み替えるよう指導されていますが、これは教本
の普通免許対象が乗用車に限らずマイクロバスから軽トラック、小型特殊までを対象
にしていて、床からペダルが生えているような種類のものでも通用する非常に普遍的
なペダルの踏み方を念頭に入れているためだと思います。教本が常に正しくて最適と
いうことにはなりません。
こんにちは、ルーテシア&バルケッタのKです。

ブレーキの踏み方に関する件ですが、ヤフーニュースの記事で面白いのを見つけましたので、お知らせします。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190821-00168208-kurumans-bus_all

この記事で特に面白いなと感じたのは、日産「デイズ」開発についての下記の部分です。
>  デイズの開発現場では、カカトを床に付けずにブレーキを踏む女性が多いことを男性の開発者に話すととても驚かれたといいますが、社内の女性たちの声を集めるなどしてなんとか男性陣に理解してもらったそうです。
>  そしてデイズでは、カカトを床につけずにブレーキを踏んでも、初期制動がなるべく穏やかになるよう、また恐怖感を感じずに着実に減速できるよう、何度も試行錯誤しながらブレーキフィーリングを煮詰めていったほか、足の小さな人でもしっかり踏めるように、ブレーキペダルの角度を研究して採用したとのことでした。

実際に運転したことが無いので分かりませんが、どんなフィーリングになっているのか少し興味あります。(笑)

以下、記事の全文もコピーしておきます。

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「ブレーキの踏み方に男女差がある!? なぜ女性はカカトを付けずにペダルを踏むのか?」

クルマの運転の仕方は個人差があるといいますが、とくにブレーキペダルの踏み方は大きな差があります。なかでも女性のブレーキの踏み方は、男性にとっては信じがたい動作でおこなっているといいますが、それはどんなことなのでしょうか。

女性好みの装備や機能だけでなく、運転姿勢に着目してクルマを開発

 アクセルペダルを踏む、ブレーキペダルを踏む、ハンドルを動かすという3つの操作は、クルマを運転する上でもっとも基本となる操作です。

男性には理解しがたい!? 女性の使い勝手を考慮した日産「デイズ」を画像でチェック(27枚)
女性はカカトを床に付けずにブレーキを踏む人が多い

 そうはいうものの、クルマの操作方法は、すべてのドライバーが同じようにおこなっているとはいえず、年代や性別、体格の差などによってバラつきがあることがわかっています。

 なかでも、もっとも大きな違いが見受けられるのがブレーキペダルの踏み方です。男女でブレーキの踏み方が違うというのですが、どのように異なるのでしょうか。
 昨今は、女性の意見を反映させるために、新型車の開発チームで女性の評価担当者が活躍することが増えてきました。

 運転が不安な女性や初心者でも運転しやすいクルマを目指したダイハツ「ミラトコット」や日産「デイズ」では、女性の開発者が苦労したエピソードとして、「女性はブレーキペダルを踏むときにカカトを床につけないで踏む人が多いということを男性の開発者たちに伝えても、なかなか理解してもらえませんでした」とコメントしています。
 サーキットでのドライビングレッスンなどでは、正しいブレーキペダルの踏み方として、AT車など2ペダルの場合、足をブレーキペダルに対してまっすぐ垂直になるように置きカカトを床につけると教えられます。
 そして、足の指の付け根の部分がブレーキペダルの中心にくるようなイメージでブレーキペダルを踏むようにして、アクセルペダルを踏むときには、カカトを床につけたままそこを支点にして、つま先を右に傾けて踏むとどちらもスムーズに操作でき、コントロールがしやすくなるとされています。

 ただし、ほとんどのドライバーが最初に運転を教わる自動車教習所では、「ブレーキペダルを踏むときはカカトを床につけない」と教えていることが多いようです。
 これは、初めてクルマを運転する人では、まだブレーキペダルをコントロールすることが難しく、ペダルの踏み遅れや踏力不足による危険性を考慮し、まず確実にブレーキを効かせることを優先していることが理由だと考えられます。

 年齢を問わず、カカトを床から離してブレーキペダルを踏む女性ドライバーが多いのは、自動車教習所で教わったことを忠実に守って運転していることもあり、力を込めて踏もうとするとカカトが床から離れてしまう人が多いようです。
 また、男女の身長差も関係しているといえます。成人男性の平均身長は168cmから172cm程度、足の大きさは26cmから27cm程度ですが、女性の平均身長は154cmから158cm、足の大きさは23cmから24cmと、女性の方が身体のつくりが小さいことも原因となります。

 身長が低いと、視界を確保するためにシートを高く上げることになり、足がブレーキペダルに届きにくい状態になってしまいます。
 その上、足のサイズも小さいと、カカトを床につけた状態では、つま先のほんの先端がブレーキペダルに触れるくらいになってしまうため、そこからペダルを踏み込もうとするとどうしてもカカトが床から離れてしまうのです。
 いずれにしても、カカトを床につけずにブレーキペダルを踏むと、ジワリと少しずつ踏み込んでいくようなコントロールは難しく、踏み始めから強い力が加わってガクンと急ブレーキのような挙動になりがちです。

 デイズの開発現場では、カカトを床に付けずにブレーキを踏む女性が多いことを男性の開発者に話すととても驚かれたといいますが、社内の女性たちの声を集めるなどしてなんとか男性陣に理解してもらったそうです。
 そしてデイズでは、カカトを床につけずにブレーキを踏んでも、初期制動がなるべく穏やかになるよう、また恐怖感を感じずに着実に減速できるよう、何度も試行錯誤しながらブレーキフィーリングを煮詰めていったほか、足の小さな人でもしっかり踏めるように、ブレーキペダルの角度を研究して採用したとのことでした。

※ ※ ※

 カカトを床につけずにブレーキペダルを踏むことが良いか悪いかという議論は、個人的にはナンセンスだと思います。

 これは男女の差というよりは、体格の違いや運転技能の差の問題であって、車種によってシートの位置調整機能やペダル配置がそれぞれ違うことも影響してくるので、すべての人に「これが正しい」と当てはめるよりも、まずは確実にブレーキを効かせることの方が重要だと考えるからです。

 男性にとっては考えられないような「女性ならではの現実」を考慮し、ミラトコットやデイズのように、開発に活かしてくれるクルマが今後も増えていくことを期待しています。

ーーーーーーーーーーーーーーー ここまで ーーーーーーーーーーーーーーー 

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こんにちは Oです。8月のスクールは無理ですがツーデーには参加するつもりで予定を組んでいます。

さてブレーキペダルとかかとの話題がありましたが、別の角度からみたこんな記事がYahooに載っていました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190821-00168208-kurumans-bus_all

しかし女性がかかとを床につけたがらないのは、体格の問題だけではなく、女性用の
靴はハイヒールではなくてもかかとがかなり高いものが多く、かえって不安定になる
可能性があること、また靴の後ろを傷つける可能性があって、おしゃれで高価な靴
だったりすると嫌がることもあると思います。

また運転教則本ではかかとを離して踏み替えるよう指導されていますが、これは教本
の普通免許対象が乗用車に限らずマイクロバスから軽トラック、小型特殊までを対象
にしていて、床からペダルが生えているような種類のものでも通用する非常に普遍的
なペダルの踏み方を念頭に入れているためだと思います。教本が常に正しくて最適と
いうことにはなりません。


ブレーキペダルの踏み方

先日来、ルノー・ジャパンのブログで「ブレーキペダルとかかと」というテーマで数回アップしました。スロットルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる事故が続発していたのを受け、ユイレーシングスクールで教えているように、かかとをつけたままペダルを踏みかえれば防止できるのではと投稿したのがきっかけです。

最初に385回で右足の動かし方について提案。

それを読んだ卒業生とスタッフ数名から、「教習所ではかかとを浮かせてブレーキペダルを踏め」と教えていますよとの情報。 『 エッ ! 』 だった。
それで、いくらなんでもそれはおかしいだろと、 398回 衝撃の事実 をアップ。
でも待てよ、ひょっとするとかかとを浮かすのに肯定派の人もいるかもわからないから意見を聞かせてほしいとお願い。

すると数名のYRS卒業生からメールが届いたので、
Aさんからのメールは、 400回 ブレーキペダルとかかと 1 で。
Mさんからのメールは、 401回ブレーキペダルとかかと 2 で。
Fさんからのメールは、 402回ブレーキペダルとかかと 3 で紹介。3名ともYRS卒業生だとは言え、全員かかとをつけたままの踏み換えに賛成。

すると今度はスタッフのYから、「かかとをつけてペダルを踏み換えることを勧めているサイトがありますよ」との情報。URLを送ってもらったら、あのGAZOOのサイトの中にあるドライビングスクールの頁にイラストつきで 『ペダルの踏み換え方』 の説明があった。

ことの顛末は 407回ブレーキペダルとかかと にまとめてあるが、ユイレーシングスクールは1999年に日本で開校してから一貫して『 かかとを同じ位置に固定したままスロットルペダルとブレーキペダルを踏み換える 』ようにアドバイスしてきた、まさにそのもの。
かかとを固定するのはペダルの踏み換えを的確にするだけでなく繊細なペダル操作や状態の安定にもつながるから、ユイレーシングスクールとしては公安委員会指定の教習所でかかとを浮かせてブレーキペダルを踏むことを教えているとしても、かかとを固定することを強く勧める。

GAZOOのサイトの方針でリンクはホームページに貼るように指定されているけど、トヨタのお客様相談室経由で許可はもらっているので、ぜひクルマ情報サイトGAZOOの、クルマの運転の基本 ~上手なアクセルとブレーキ操作(オートマ編)~ の頁をめくってみて下さい。そしてどうするのが、ペダルの踏み間違いを防ぐのか一度思い巡らせてもらえればと思います。そして、かかとを浮かしてペダルを踏み換えている人が近くにいたら、こんな方法もあるんだよ、と伝えてもらえればとも思います。


交通事故統計

毎年、警察庁交通局は交通事故のデーターを集計して公表しています。交通事故そのものも交通事故による死亡者数も減少傾向にありますが、単独事故の件数と単独事故による死者数は高止まりのままです。
最新の2016年度の数字ですが、100件の交通事故が起きるとそのうち避けようと思えば避けられたはずの単独事故は3件にもなりません。ところが、交通事故で亡くなった方100人に対して、単独事故でなくなった方が27人もいることになります。相手のいない単独事故で亡くなる人が多いというのは、運転に携わる者としてやるせない気持ちになります。

全交通事故に占める単独事故の割り合い

単独事故の分類

交通事故類型別分析



ユイレーシングスクールは事故を起こす可能性を少なくするためにも、必要のない危険をおかさないためにも、運転はうまいほうがいいと思っています。