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Go − Circuit No.171 (09/06/03発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかし安
全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと楽しく
もないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クルマさん
との正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスクールか
らの提案です。
<<標語>> 公道では安全運転、サーキットではそれなりに。
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1)9月12日筑波コース1000ラッピングデー参加者募集中
2)9月26日YRSオーバルスクール参加者募集中
3)9月30日筑波コース2000ロングディスタンス練習会参加者募集中
4)ハウツースタート 何から始めよう
5)オーバルコースを走る トム ヨシダ

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1)9月12日筑波コース1000ラッピングデー参加者募集中

9月12日。筑波サーキットコース1000でラッピングデーを開催します。募
集台数は36台。3クラスでラッピングを行います。1クラス12台の出走な
ので余裕をもって走行できます。
もちろんYRSのスタッフが詰めていますので、走り方についての質問にも
お答えします。

今回のラッピングデーには特典を用意しました。まだユイレーシングスクー
ル主催の筑波スプリント、筑波エンデューロに参加されたことがない方がラッ
ピングデーに参加された場合、10月11日に行われるレースの参加費を1,
000円割り引きます。

・筑波コース1000ラッピングデー開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yrs_1000.htm

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2)9月26日YRSオーバルスクール参加者募集中

今年から舞台を浅間台スポーツランドに移して開催しているYRSオーバル
スクール。1周約250mのオーバルコースで操作と挙動の関係を身につける
のが目的です。
クルマの運転にはこれでいい、ということはありません。絶えず変化するク
ルマの姿勢、過重のかかり方に合わせて操作を行わなければなりません。安全
に速く走るためには、タイヤを滑らさなければならりませんが滑らせすぎても
いけないのです。タイヤ、それも4本のタイヤのグリップの限界近くを常に使
って走る工夫が必要です。
各コーナーが独立しているロードコースと違って、オーバルコースでは2つ
のターンがつながっています。脱出が速ければ次のターンへの到達速度も速く
なり、ターンインの仕方を調整する必要があります。脱出に失敗した時には理
想の到達速度まで達しません。速く走るためにはターンインからイーブンスロ
ットルまでの区間で速度を回復させなければ速くは走れません。
頭で考えていては遅れてしまう『対応の仕方』が、YRSオーバルを走り込
むうちに身につきます。受信機をつけてリアルタイムのアドバイスを受けなが
ら走りますから、客観的にクルマの限界を把握しながら操作できます。
YRSオーバルでの練習はサーキットを走る時に必ず役に立ちます。それは
コーナーを常に限界で走る癖がつくからです。ご自身の操作に確信が持てない
方はYRSオーバルスクールを受講してみて下さい。足りないものが必ず見つ
かります。

・YRSオーバルスクール浅間台開催案内
http://www.avoc.com/2school/2ydw/yosa_guide.htm

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3)9月30日筑波コース2000ロングディスタンス練習会参加者募集中

去る8月17日。筑波サーキットコース2000で100分を連続で走行する練
習会が開催されました。参加は30台。1台につき2〜4名のドライバーが乗
り込み耐久レースの実戦さながらの練習を行いました。最も多く周回した車両
は100分で78周(159.5Km)を走行。ふだん集めることのできない
データを収集するとともに長時間を連続して走る練習、チームワークのシュミ
レーションを行いました。
30日も長距離を連続して走る練習を目的としています。1台のクルマを複
数のドライバーが乗り込み、協力していかに遠くまで走らせることができるか、
コース2000ではふだん体験できない戦略的なアプローチを体験します。
今回も30台の同時走行が行われますので、参加資格は筑波ライセンスをお
持ちの方かYRS卒業生でコース2000走行経験がある方に限らせていただきま
す。

| 参加者の選択肢を増やすために2種類の申し込み方法を用意しました。2時
| 間を同一車両で走る場合と、2時間のうちの1時間だけ走る場合です。2台
| のクルマで1時間ずつ走ることももちろん可能です。ドライバーの数は参加
| 者ガ決めて下さい。質問のある方は遠慮なくメールを下さい。

・筑波コース2000ロングディスタンス練習会開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yrs_2kenduro.htm
・筑波コース2000ロングディスタンス練習会詳細
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yrs_2kenduro_b.htm
・ロングディスタンス練習会問い合わせ先
mail@avoc.com

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4)ハウツースタート 何から始めよう

3年目を迎えている筑波サーキット公式ドライビングスクール。9月11日
のスクールで50回目の開催となります。過去2年半。同スクールを受講した
方は延べ1,352名に上ります。
この間、ユイレーシングスクールは一貫してクルマを正確に操ることを最優
先の課題として取り組んできました。言葉を換えれば「思い通りにクルマを操
る」ことができるようになっていただくのがユイレーシングスクールの目指す
ところだとも言えます。それは、ある人にとってはサーキットを走る際のラッ
プタイムが短縮できるということであり、またある人にとってはふだんの運転
を含めて安全にクルマを動かすことができるということでもあります。

受講された全ての方に『理にかなった運転』の一端を理解していただけたと
思っていますが、実はモータースポーツにしろ安全運転にしろ、全てはクルマ
を正確に操るところから始まるのです。決してふだんの運転とサーキットにお
けるスポーツドライビングが大きくかけ離れているわけではありません。サー
キットを走るのに特別なテクニックが必要なわけでもありません。
ふだんの運転がこちら側にあり、スポーツドライビング(サーキット走行)
があちら側にあるというようなお互いが独立したものではないのです。ふだん
の運転もスポーツドライビングもひっくるめ、さらにクルマや安全や社会に対
しての意識も含み、それぞれが密接に絡み合っているのが運転です。『運転』
とは、クルマを道具として使う人に帰属する総合的な行動様式と言っても決し
て大げさではありません。
正確に運転するということは、どんな状況においても運転手の意のままにク
ルマを操ることです。操れることです。路面状況が変わろうと、タイヤのグリ
ップが低下しようと、はてはFFからFRに乗り換えたとしても思い通りにク
ルマを走らすことができるということです。

何回かスクールを受講した方からメールをいただくことがあります。それは
近況報告の時もありますし、質問の場合もあります。今回はそれらの質問の中
でも頻度の高いものを取り上げてみたいと思います。それは、『最近クルマを
コントロールしているという実感はあるのですがタイムが伸びないどころか遅
くなってしまう場合があるのですが・・』というものです。質問にはその都度
お答えしていますが、今回は一般論としてこの質問に回答したい思います。

こう表現するのが適切かどうか判別にして、この症状はクルマを限界で走ら
せることになれてきた人が陥りやすいもので、決してその人特有のものではあ
りません。順序だてて考えてみましょう。
サーキットを走ったことのない時にはいろいろと考えますが具体的なイメー
ジが浮かぶはずがありません。クルマがロールすると転倒してしまうのではな
いか。速く走るとスピンしてしまうのではないか。そんな素朴な疑問から始ま
って、どんな風にステアリングを切ればいいのか。どこで切ったらいいのか。
解らないことだらけです。
YRS主催のスクールを受講します。座学とオーバルの定常円走行、そして
ラッピングを通じて理にかなった運転というものがおぼろげながら解ります。
その日のラップタイムが記録された結果を手に家に帰ります。サーキットを事
故もなく走れたという満足感と「あそこでこうすればもっと速かったかなぁ」
という悔しさがないまぜになって残ります。ですが、この時点ではクルマの運
転というものを理解するための入り口に立ったに過ぎません。
もう少し納得できる運転がしてみたい。そんな気持ちから再度スクールを受
講します。最初の時は完全に理解できなかった座学も、実際に走った経験があ
るので納得しながら聞くことができます。「そうか。あの時はああすればよか
ったんだ。」と走り方のヒントが頭に浮かびます。そして定常円とラッピング。
少しずつクルマの限界に近いところで走れるようになり、ラップタイムも少し
ずつ縮まります。
しかし、ここで気をつけなければならないのは、ラップタイムが短縮したか
らといって必ずしも『クルマの挙動に合わせた操作』ができているとは限らな
いことです。ある程度の速さまではテクニックよりも慣れで到達できるものだ
からです。慣れとは恐怖心に対する安心感の占める度合です。テールが流れて
ヒヤッとしたけどなんとかことなきを得た。フロントが逃げたけどなんとかな
った。そんな体験を繰り返すうちに「ここまでは大丈夫。」という確信が芽生
えます。
もちろんそれは正しいことです。安全に速さを身に付けるには少しずつでか
まいませんから確信を持ちながら操作できる範囲でペースを上げていく以外に
ないからです。しかしながら、この『慣れ』にこそラップタイムが短縮できな
い原因があるのも見逃すことができません。

『慣れ』とは恐ろしいことでもあります。サーキットを走りこんで速さとク
ルマの動きに慣れてくると、アンダーステアになろうがオーバーステアになろ
うが無視式のうちに何とかしてしまう自分がいます。4輪とも流れていても恐
怖心を抱かなくなった自分がいます。確かにカーコントロールという面から見
ればこれは上達でしょう。走り始めのころならば制御できなかった速さでコー
ナーに入っていくこともできるようになります。大きな横Gを受けながらスロ
ットルをコントロールできるようにもなります。しかし、繰り返しますが、気
をつけなければならないのは、クルマを振り回せるようになることが即ち速く
走ることにつながるとは限らないことです。

速く走るということはクルマの運動エネルギーを殺ぐことなく、その向きを
連続して変えていくことです。1台のクルマがあればその理想的な走り方はい
くつもありません。絶えずクルマの限界で走るにはクルマが求める操作をし続
けなければなりません。ここで言うクルマの求める操作は、クルマの走行状態
を正確に把握することで初めて可能になります。ところが『慣れ』がもたらす
操作はあくまでも人間の心理に根ざしたものです。その人が不安なくできるこ
とではありますが、速く走るクルマが求めるものと一致しているとは限らない
のです。ここに速さを求める時にぶつかる壁があります。
自分では乗れているつもりなのにタイムがでない。そう。確かにクルマをコ
ントロールはしているのでしょう。でも、それは身勝手な人間から見た場合の
ことなのかも知れないのです。『慣れ』が、クルマが求めている正確な操作を
度外視して速さには結びつかない走り方をしている可能性もあるのです。

クルマを走らせる時。それが公道であろうとサーキットであろうと、タイヤ
のアドヒージョンを抜きにしては語れません。安全に走る分には今のタイヤは
十分に機能を発揮してくれます。しかしそれが速さにつながるわけではありま
せん。速さに必要なアドヒージョンはもっと先鋭的なものです。クルマが求め
る操作とは、その先鋭的な部分を連続して維持できる操作なのです。

安全に走るということは何よりも優先されるべきことです。ですから『慣れ』
は絶対的に必要です。しかしより速く走ろうとするならば、クルマが求める操
作がどんなものなのかを考える知性と刻々と変わるクルマの状態を把握する感
性と、そして理想に近づくための絶え間ない工夫が必要です。

あなたは1コーナーに進入する時。突っ込みすぎてクルマが蓄えているエネ
ルギーを無駄にしていませんか?

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5)オーバルコースを走る トム ヨシダ

ユイレーシングスクールでは日本でスクールを開校して以来カーコントロー
ルの練習に楕円形の定常円を使っている。それはオーバルコースがカーコント
ロールの練習に最も有効だから。 オーバルコースには次のような特徴がある。
・基本的に同じ形状のターンがふたつ
・基本的にターンは180度回り込んでいる長いコーナー
・どちらのターンも同じ方向に回る
そして、オーバルコースには次のような特長がある。
○同じ形状のコーナーを反復練習することで操作と挙動の関係を明確に把握す
ることができる
○長いコーナーだからターンイン→イーブンスロットル→エクジットの概念の
ひとつずつを理解しやすい
○コーナリング自体は単純で飽きるので頭を使って走るようになる

スクールで使っているYRSオーバルに最も期待するのは3番目の頭を使っ
て走ること。

YRSの卒業生の感想を聞いても、「初めはなめていたけどやってみるとお
くが深い」、「思っていたより難しい」、「走れば走るほどクルマの挙動が解
るようになる」、といった意見が多いという事実。最も単純な形の周回路だか
らこそ、『速く走る』というテーマにそって走ってみると難易度は高く、フィ
ードバックも大きい。とりあえず、スクールの狙いはドンピシャ。

しかしオーバルコースは練習のためだけにあるのではない。オーバルコース
の最大の特長はそのスポーツ性にある。オーバルコースは走っても楽しいが、
見ていても面白い。アメリカのレース場の78%がオーバルコースなのはスポ
ーツとして支持されているからだ。

YRSオーバルスクールに参加して追いかけっこをやったことのある人なら
わかるだろう。前を走るクルマに距離をおいてついていくのはそれほど難しい
ことではない。ところが、「よし。間隔をつめてやろう」なんて考えるともう
いけない。進入を速くするからクルマの姿勢が崩れて失速。早くスロットルを
開けてしまうからアンダーステアが出て失速。自分の意気込みとは裏腹に、前
を走るクルマとの間隔は縮まらないばかりか逆に開いてしまう。
しかし落胆する必要もない。ちょっと冷静になって、『自分が速く走る』気
持ちを抑えて『クルマが速く走る』操作に専念すれば、それ以上離される心配
はない。
すると、前を走るクルマの運転手とて人間。同じ間隔でずっとついてこられ
ると焦る。「相手のほうが速いのか?」なんて猜疑心も生まれる。逃げようと
焦る。進入を速くするからクルマの姿勢が崩れて失速。早くスロットルを開け
てしまうからアンダーステアが出て失速。結局、後ろのクルマを引き離すどこ
ろかますますリアビューミラーに大写しになる。

だから精神修養にはうってつけ、とは言わないが、間違いなくスポーツであ
ることは疑いの余地がない。しかもオーバルコースではクルマの性能の差がロ
ードコースほどには出ない。なぜならば数周にわたってクルマの性能の100
%を発揮しつづけることは至難の技だから。もちろんロボットが乗って常に1
00%で走ることが可能ならば性能差は出るが、人間にはなかなかできない。
それだからスポーツ。クルマという道具を使いながらも人間本来の競争が見れ
るし体験できるからこそ、アメリカではオーバルレースの人気が絶大なのだ。
速く走ろうという意欲を高めつつ、クルマの速さ以上には走れないのだから
クルマの性能を存分に引き出すことだけに集中し、相手のペースに惑わされず
常に自分の極限を発揮するように努力する。まさに自分との戦いである点では
陸上競技や球技と変わらない。だからスポーツそのもの。

日本には残念ながら手軽に走れるオーバルコースがない。だからオーバルコ
ースの楽しさや面白さはまだまだ伝わっていない。これを読んでオーバルコー
スに興味を持った人はYRSオーバルスクールに参加してみてほしい。初めて
参加する人は『自分がいかに頭をつかって走る』ことをしていなかったかと落
胆するはずだ!けど、その楽しさの虜になる。参加したことのある人は今度こ
そと思って走るのだろうけど『やはり上手くいかない』ことに気づくはずだ!
けど、冷静に考えれば自身のカーコントロールテクニック自体は飛躍的に高ま
っているはずだ。

初めてノースカロライナ州にあるシャーロットモータースピードウエイをN
ASCARウィンストンカップカーで走った時。1.6トンもある700馬力
のモンスターでターン1に進入した時。フロントウインド全面に壁。行くべき
コースはサイドウインドから眺めるしかなかった。トップギア全開のバックス
トレッチから時速280Km以上で18度バンクに進入した時。路面のバンク
の変わり目でリアが出る。減速して入っては速く走れない。壁を見ないように
しながら手から力を抜きクルマ自体にカウンターステアを切ってもらってこと
なきを得た。

スケールは異なれど、YRSオーバルでもオーバルコースの魅力に触れるこ
とはできる。その魅力をひとことで言い表すならば、それはクルマに対して休
む暇なく真剣に向き合う自分を発見できることだ。オーバルコースは間違いな
く走った人の運転に対する造詣を深めることができる。

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